訪問治験に関する定量調査

現在、治験において、被験者さんの来院の負担の軽減や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染症拡大防止のため、医療施設に依存しないDCT(分散型治験)として訪問治験やバーチャル治験に注目が集まっています。特に訪問治験においては、当社にも実施支援についてのお問い合わせが急激に増えています。

そこで、より良い訪問治験の実施を目指して、治験に参加する方々が訪問治験に対してどのように考えているか、意識調査を実施しました。

訪問治験とは、治験を実施する医療施設などに来院して行う治験とは違い、医師や看護師、治験コーディネーターなどの医療従事者が被験者さんのご自宅などに訪問して問診や検査などを行う治験のことです。現状では、すべての工程を訪問で行うことは少なく、来院と訪問を組み合わせた治験になることが一般的です。

訪問治験の取り組みについて、参加意向

●訪問治験の取り組みについては、「とても良い」25.2%、「良い」38.7%は合わせて63.9%と、6割を超える方が“良い取り組み”と好意的に受け止めた。「良くない」(3.1%)「あまり良くない」(2.2%)は合わせて5.3%と、良くないと捉えた方は少なく、1割にも満たなかった。

●訪問治験への参加意向についても、「ぜひ参加したい」35.5%、「やや参加したい」27.9%で、“参加したい(Top2)”の合計は同じく6割を超えた。

魅力な点は“待ち時間や通院時間がなくなる”“コロナ感染の心配が減る”“自宅でリラックスして受けられる”

●訪問治験に感じる魅力点については、「待ち時間や通院時間がなくなる」が72.2%7割を超え、時間短縮への期待が最も大きく、魅力的だと感じる方が多かった。

次いで「病院内での新型コロナ感染に対する心配が減る」54.5%、「通院移動中の新型コロナ感染に対する心配が減る」53.6%と新型コロナに関係する項目が半数を超え、「自宅でリラックスして受けられる」42.1%の順に多かった。

●訪問治験への取り組み評価、参加意向に関わらず、訪問治験の魅力点については同じ傾向にあった。

懸念点は“人を迎える準備”“どんな医師・医療者が来るか”“プライバシーやセキュリティが不安”

●訪問治験に感じる懸念点については「掃除など人を迎える準備をすることが手間」が42.5%と最も多く4割を超え、次いで「どんな医師・医療関係者が来るかわからない」36.2%、「医療関係者とはいえ、プライバシーやセキュリティが不安」27.2%の順に多かった。

●年齢ごとに比較すると「医療関係者に自宅まで来てもらうのは申し訳ない」は20代が他の年代よりも多く、医療者への配慮がみられた。

●「十分な医療器具が用意されるのか心配」は70代以上が他の年代よりも多く、医療体制に対する懸念を感じていることが示唆された。

訪問頻度は「月に2回程度まで」が最も多く、年齢が若くなるにつれて訪問頻度には拘らない傾向

●訪問頻度については、「月に2回程度まで」が24.1%と最も多く、次いで「月に1回程度まで」22.6%、「週に1回程度まで」19.2%の順に多かった。

●また「何回でもかまわない」は15.6%で、1割以上が訪問頻度は気にしていなかった。
月に1回程度までの訪問を許容する人の合計は、8割を超えた。

●年代ごとに比較すると、年齢が若くなるにつれて「何回でもかまわない」の回答が多く、訪問頻度に関しては若年層のほうが拘らない傾向にあることが示された。

1回の訪問時間は「1時間以内」がボーダーライン

●1回の訪問時間については、1時間以内」が44.4%と最も多く4割を超え、ボーダーラインと言える結果であった。次いで「30分以内」が22.0%で、1回の訪問時間は短い方が好まれる傾向にあった。

●1回の訪問時間を年代ごとに比較すると、年齢が若くなるにつれて訪問時間の許容度が高くなる傾向にあった。

参加可能曜日は3割が「いずれの曜日も可能」だが、男性は日曜日、女性や高齢層は平日を好む傾向

●参加が可能な曜日については、「いずれの曜日も可能」が31.0%と最も多く、3割程度の方は曜日に対する要望は見られなかった。 次いで「月~金曜日」26.5%、「土曜日」25.4%の順に多かった。

●性別で比較すると「日曜日」は男性の希望が多く、「月~金曜日」は女性の希望が多かった。

●年代ごとに比較すると、70代以上に関しては「いずれの曜日も可能」が多いものの「土曜日」「日曜日」「祝日」の回答が他の年代よりも低いことから、平日の方が好まれる傾向が見て取れる。

時間帯は3割が9:00~15:00頃で参加可能だが、属性等による違いへの配慮が必要と思われる 若年層は夜間も可能

●訪問治験を受けられる時間帯については「午前中(9:0012:00)」が46.2%と最も多く、次いで「午後(12:0015:00)」が45.0%4割を超えていた。回答者の年代や職業に起因する部分もあると考えられるが、時間帯に関しては早朝を除いた早い時間帯の方が許容される傾向にあった。

●年代ごとに比較すると、20代は「夜間(17:0021:00)」が27%で他の年代よりも多かった。一方で60代、70代以上は他の年代よりも「夜間(17:00~21:00頃)」が少なく、1割にも満たなかった。

調査概要

調査内容:訪問治験に関する意識調査

調査対象:3,933名/全国

実施時期:202119日~2021113

調査手法:「生活向上WEB」でのWebアンケート

実施機関:3Hクリニカルトライアル株式会社
調査企画:3Hメディソリューション株式会社

本調査結果の引用・転載時には、必ず下記の明記をお願い致します。
<3Hメディソリューション株式会社「生活向上WEB」調べ>と明記ください。

3Hでは、患者目線、医療従事者目線を取り入れた訪問型治験の実施支援を行っております。
訪問型治験をご検討の際は、是非ご連絡ください。